日本財団 図書館


 

ヒアリング対象:港湾運送事業者(姫路港)
ヒアリング時期:平成8年12月

 

1. 姫路港の可能性
本四架橋や高速道路の整備予定を見通すと、香川県、徳島県の貨物取扱については、神戸港より姫路港に優位性を想定できる場合がある。姫路港は、神戸港より西のエリアの貨物を集めることが中心になると思う。

 

2. 姫路港のゾーニング
現在、雑貨、バラモノ、コンテナ、原材料、旅客などの複数機能が雑居しているので、姫路港の発展を見通して、ゾーン区分を明確にしていく必要がある。この際、港湾運送事業者で、この港を良くするための意見交換を重ね、集約した意見を行政等に反映していくことが重要である。

 

3. 中島地区の位置付けと可能性
中島地区は、コンテナヤードが小さく、多目的クレーンとガントリークレーンでは荷役スピードに差がある。また、40ftコンテナをドレージするは、クランク状のアクセス道路を改善する必要がある。
このため、中島地区を広畑地区の本格稼働までのツナギとして位置づけるには、難しい面がある。今後、船社がどの程度乗り気になるか注視する必要がある。
一方、中島地区を整備することで、市内荷主の開拓が可能となり、定期航路を確保すれば、コンテナ取扱量は期待できる。

 

4. コンテナターミナルオペレーションの見込み
コンテナターミナルのオペレーションは当初採算ベースに乗り難いので、港湾運送事業者での協調した取り組みが必要である。また、キャリアなど高額な荷役機器は1社で保有できないので行政の支援が必要だ。また、荷役業務そのものは、タテ割で取り組み、リスク負担を明瞭にしていく必要がある。
FAZ運営については、他地区で事例があるが、本格的なコンテナ基地でない所に、民間の投資を呼び込むのは難しい。
ラベル貼り、カートン詰めなど輸入品の流通加工の拠点は、低コストの地域で行い、不足分を国内で取り扱うことになる。

 

5. 港湾運送事業者の取り組み
姫路港の発展経緯が、他の特定重要港湾とのコンテナ化の差異に現れている。しかし、現在の姫路港でのコンテナ化への動きを、地元港湾運送事業者で活用していくことが重要であり、お互いが良くなるための手だてを考えいくべきだと思う。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION